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IP電話の夜明け前(6)

音質確保で創意工夫

2004/05/18

沖電気工業
IPソリューションカンパニー
ソリューション開発本部
インキュベーション推進部
薄葉 伸司

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1996年末に,ようやくはじめてのVoIP製品の出荷にこぎつけた。今回はその後の展開に大きく影響した,その技術について紹介する。

 私たちがVOICEHUBを開発した96年の時点でも、世の中には既にパケットを使った音声通信、いわゆるインターネット・テレフォニーは存在した。

 一部のマニアがパソコンを使って試していた「インターネット電話」だが、「電話」とよぶにはあまりにも性能のお粗末なものだった。通信事業者やベンダーの間では「おもちゃ」と呼ばれ、まともな電話としてはとても使えたものではないとの見方が大勢を占めていたと思う。特に国内ベンダーは否定的な見方が強く、IPを使った音声通信(VoIP)に本格的に取り組もうとするベンダーは私達のほかには見当たらなかった。

 電話として許容できる品質をクリアすること。これがまず、VoIPを世に認めてもらい、普及させるための第一歩として非常に重要なことであった。VoIPによる通信コストの低減は画期的で、近未来の通信事情を一変させる力を予感させる魅力があった。しかし、いくら低コストであるといっても、最低限の品質が確保されていなければ、製品として認められ、市場を作ることはなかっただろう。

写真1 96年末に完成した最初の製品「BS1100-VOICEHUB」
写真1 96年末に完成した最初の製品「BS1100-VOICEHUB」
 電話としての音声品質の確保を絶対条件とする——。最初の開発製品となった「BS1100-VOICEHUB」(写真1)への取り組みで,私達がこだわった基本姿勢である。BS1100を発展させ、次に開発したBS1200では、当時インターネット・テレフォニー分野で先行していた米国で数々の賞を受賞することができた。今回は、BS1100の開発以来私達が引き継いできた音声品質の確保の姿勢について、少し技術的なポイントの解説を交えながらご紹介させていただく。


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