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IP電話の夜明け前(4)

正式採用への厳しい壁(1996年後半)

2004/04/13

沖電気工業
IPソリューションカンパニーIPシステム企画開発本部
プロダクトマネージャ
薄葉 伸司

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96年4月に音声をIPパケット化するVOICEHUBを初めて展示会に参考出展した。それがきっかけで、あるシステム・インテグレータがシステムに採用してくれることが決まった。うれしいことだが量産出荷まで期間が7カ月しかない。さらに,インテグレータの理解ももらわなければいけなかった。

写真1 東京・芝浦にある沖電気6号別館
写真1 東京・芝浦にある沖電気6号別館
 採用決定はしたものの、インテグレータ側が、音声をIPパケット化することに非常に懐疑的なままだという噂が漏れ聞こえてきた。確かにその当時、これは全く新しい概念の装置であり、不安に思わないほうがどうかしていた。実運用に耐える十分な品質を確保できなければ、使用するお客様に迷惑がかかる。私は、この機器を世に送り出すために足しげくインテグレータへ足を運ぶことになった。また、インタグレータの方々も弊社に何度も来ていただいた(写真1)。

 そもそも音声のパケット化自体が業界で否定されていた存在であったので、インテグレータとの会話は、最初は平行線であった。しかしインテグレータ側も頭ごなしに否定することはせず、辛抱強く一つずつ質問をぶつけてきた。

 「話の頭が切れたりしませんか?」 「遅延時間はどれくらいですか?」 「エコーは気になりませんか?」 「音の途切れはありませんか?」,——。音声パケットの弱点を突く質問が飛んできた。これらの点を納得してもうらうのには苦労したが、VOICEHUBを試作品レベルから一段上へブラッシュアップする上で非常に役立った。

 こんなやり取りを約3カ月間続け、両者の溝を埋めていった。安定動作の実績を示せない以上、試作品の仕組みを説明するしかなかった。我々の営業担当者も粘り強かったが、インテグレータも根気よくつきあってくれたと思う。


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