NTTドコモの中村維夫社長は7月29日の会見で,第3世代携帯電話FOMAで通話サービスの規制中でもメールが使えるようにすることを明らかにした。2006年春に実施する見通し。地震など災害発生後に電話網が大混雑していても,メールを使って連絡がとれるようにする。

 従来,FOMA端末と基地局間の伝送区間は,データと音声を一括して制御していた。このため,7月23日に関東地方を襲った最大深度5強の地震では,第3世代の携帯電話で通話だけでなくメールも使いづらくなった(参考記事)。メールは通話に比べてネットワークを占有する時間が短いため,両者を分離して制御すれば,メールの規制は基本的には不要になる。

 他社の第3世代ではKDDIが2005年春の端末から分離制御の機能を組み込み済み。ネットワーク側での対応時期を検討している段階。ボーダフォンも第3世代での対応を検討している。なお,第2世代はNTTドコモとボーダフォンとも既に分離制御に対応している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション