東京電力とKDDIは7月26日,両者が提携交渉をしているとの一部報道に対し,本誌の取材にそれぞれ「勉強会などで交流はあるが,現時点では何も決まっていない」と回答した。東京電力がKDDIに株式売却を検討しているとされたパワードコムも「KDDIとはホールセールを通じて協業しており,他分野でも協力できないかという話はしていた。だが,株式売却などは聞いていない」としている。

 ただ,東京電力のある幹部は本誌の取材に対し,「2004年に増資をしたばかりで,ようやく今パワードコムが黒字基調になり始めたところ。パワードコムをさらに発展させられるように,KDDIだけでなく他事業者といろいろな施策を検討しているのは確か」とコメント。「KDDIとは光ファイバ網の相互接続を技術的な課題も含めて検討中だが,実現時期がいつになるかは分からない」という。パワードコムの株式売却については「現時点では考えていない」と断言した。

(大谷 晃司,宗像 誠之=日経コミュニケーション