総務省は7月11日,2005年3月末時点での通信サービスの契約数動向をまとめた「ブロードバンド契約数等の推移」を発表。この結果,3カ月単位の純増数で初めてFTTH(fiber to the home)サービスがDSL(digital subscriber line)サービスを上回ったことが分かった。

 この調査は,ADSL(asymmetric DSL)やFTTHなどブロードバンド接続サービスや,無線LANアクセス・サービス,IP-VPNや広域イーサネットなどの企業向けWANサービス,携帯電話とPHSによるインターネット接続サービスが対象。調査は3月末,6月末,9月末,12月末の年4回実施され,調査対象日の3~4カ月後に結果を発表している。

 FTTHサービスの契約回線数は285万2205(78事業者の合計)。2004年12月末の前回調査に比べて,純増数が3カ月間で42万112回線と過去最高になった。ADSLを含むDSLサービスの回線数は1367万5840(45事業者の合計)で,2004年12月末からの純増数は35万432回線だった。FTTHの純増数がDSLを上回るのは,調査開始以来初めて。依然として回線数はDSLの方がFTTHの5倍近く多いものの,DSL市場が飽和しつつある様子がうかがえる。

 その他のブロードバンド接続サービスは,CATVインターネットが前回比8万6636増の295万9712(372事業者の合計)。FWA(固定無線アクセス)サービスは,1777減の2万4658(20事業者の合計)だった。

 FTTH,ADSL,CATV,FWAを合計したブロードバンド契約者数は1951万2415。次回調査時の2000万回線超えは,ほぼ確実となった。なおダイヤルアップ接続とブロードバンド接続を合計したインターネット接続サービスの契約数は,14万2011増の2968万9396。

無線LANアクセス・サービスの契約数が10万を突破

 一方,無線LANアクセス・サービスは,1万9938増の11万7307(6事業者の合計)。ここ1年間,3カ月間で約2万増のペースでほぼ一定している。なお「Yahoo! BBモバイル」など試験サービスのユーザーや一時利用ユーザーは含まないため,実際のユーザー数はこれよりも多い。

 法人向けWANサービスの契約数は,IP-VPNが7674増の24万4360(38事業者の合計),広域イーサネットが1万1202増の11万7307(42事業者の合計)だった。累計の契約数でIP-VPNは広域イーサネットの2倍以上だが,純増数の調査を開始した2004年9月以降,広域イーサネットの純増数がIP-VPNを上回っている。なおWANサービスの契約数は,事業者のネットワークとユーザー拠点を接続する「端末回線数」の集計である。

 携帯電話とPHSによるモバイル・インターネット接続の契約数は,2004年12月末から151万6268増えて7654万8405(18事業者の合計)。累計,純増数ともに固定通信より多い状況が依然として続いている。