ぷららネットワークスは7月1日,Webやメールなどあらかじめ許可したアプリケーション以外の通信をブロックする「ネットバリアベーシック」を開始した。対象は固定IPアドレスを使う法人ユーザーを除くBフレッツ・ユーザーで,料金は無料。当初の提供地域は1都7県(東京/神奈川/埼玉/千葉/茨城/栃木/群馬/山梨)だが,他の地域でも順次提供を開始する。

 同サービスは大きく(1)URLフィルタ,(2)パケットフィルタ――の2機能を提供する。URLフィルタはニューメディア開発協会から提供してもらったものを参考にぷららが作成したフィルタリング・リストを基に,暴力やアダルトなどの有害コンテンツをブロックする。ユーザーはフィルタをかける/かけないの2レベルを選択できる。

 パケットフィルタは,あらかじめ決められたアプリケーション以外の通信を遮断する。許可する通信の組み合わせをレベル2(強)~レベル0(フィルタリングなし)の3段階用意。レベル2が「Web,メール,FTP,VoIP,ぷららのサービス以外の通信をブロック」,レベル1は「レベル2で指定したアプリケーションとIM(インスタント・メッセージ),ストリーミング以外の通信をブロック」となっている。

 個人会員は,ネットバリアベーシックが一律提供され,URLフィルタは有効化されてパケットフィルタはレベル2に設定される(5月31日以前に申し込んだユーザーはレベル0)。既存の法人会員は,フィルタリングなしで標準設定される。同サービス提供のためぷららは,シスコシステムズのトラフィック分析・制御装置「Cisco SCE 2020」を導入した。

 ぷららは,「ユーザーは,金を払って対策するのではなく,無料の基本サービスである程度保護される状態になる。特に初心者が不用意なクリックなどで何らかの被害に遭うようなことをある程度防止できる」と説明。ぷらら側にも,ユーザーが意図しない通信をある程度遮断することで不要なトラフィックの増加を制御し,適正なトラフィック状態に保てる利点があるとした。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション