経済産業省,次世代電子商取引推進協議会,NTTデータ経営研究所は6月28日,「平成16年度(2004年度)電子商取引に関する実態・市場規模調査」の結果を発表した。日本におけるBtoB(企業間電子商取引)市場は,前年比33%増の102兆円6990億円と100兆円を突破。7年前に実施した第1回調査(1998年)と比べておよそ12倍にまで拡大した。次世代電子商取引推進協議会の福永康人主席研究員は「日本の電子商取引は米国に比べてかなり遅れているという指摘があったが,着実に成長していることを裏付けた」と強調した。

 この調査で定義する電子商取引は,インターネット技術を用いたコンピュータ・ネットワーク・システムを介して商取引行為が行われ,かつ成約金額が捕捉するもの。今回のBtoB調査は2003年度と同様,16品目について実施された。2004年度の特徴は「自動車」「電子・情報関連機器」の先行2品目以外の伸びが大きく,幅広い品目での拡大が見られたこと。

 裾野拡大の要因の一つとして,NTTデータ経営研究所の飯塚和幸デジタル・イノベーション・コンサルティング本部長は「従来型VAN(付加価値通信網)や専用線からIPが主流になってきた」ことを挙げる。特に食品や保険では,従来型VANサービスからIP技術へのリプレースが進んでいるという。

 IP技術によるBtoB拡大は,昨年から実施している広義のBtoB市場規模の割合からも裏付けられている。VANや専用線などの従来型EDI(電子データ交換)を含む広義のBtoBの市場規模は約191兆円と推計。電子商取引の約半数がインターネット技術ベースでの取引となっていることが分かった。

 一方,2004年度のBtoC(消費者向け電子商取引)も前年比28%増の5兆6430億円と好調。今回から調査に加わった,インターネット・オークションに代表されるCtoC(消費者間電子商取引)は7840億円。これはBtoCの14%に匹敵する金額で,物販系BtoCのどの品目よりも規模が大きかった。