総務省は5月25日,「次世代IPインフラ研究会 IPネットワーク ワーキンググループ(WG)」の第6回会合を開催した。今回の会合では,総務省側から報告書案が提示され,構成員で内容を確認し合った。

 報告書案には,NTTグループが電話網を捨てIPネットワークに移行する「中期経営戦略」など,ネットワークのIP化を巡る国内外の動向から,IP化の課題や実現方策などが盛り込まれている。特に,電話網をIP化した後,従来の固定電話に相当する0AB~J番号のIP電話の課題を手厚く記述した。

 構成員と務めるパワードコムの塚本博之氏は報告書案に対して,「このままでは0AB~J番号のIP電話の記述が多い理由が分かりにくい。電話網をIP化する最大の課題は電話だということを明記すべきだ」と発言。総務省側もこれに同意した。

 報告書案は7月上旬からパブリック・コメントの募集をする。その後,親会の「次世代IPインフラ研究会」での議論を経て,報告書として取りまとめる。2004年夏に取りまとめた次世代IPインフラ研究会の第1次報告書に続き,IPネットワークWGと並行して議論されているセキュリティWGの報告書が第2次報告書になる。IPネットワークWGで検討してきた報告書案は,第3次報告書として取りまとめる方針だ。

(山根 小雪=日経コミュニケーション