CATV統括会社のジュピターテレコム(J:COM)は6月22日,集合住宅向けに上り下り最大100Mビット/秒のインターネット接続サービスを提供すると発表した。「J:COM NET光」として7月に全国32局で受付を開始し,9月末にもサービスを開始。通信事業者のFTTHサービスに対抗する。

 J:COM NET光はJ:COMのネットワークから集合住宅に光ファイバを直収。集合住宅の棟内は既存の同軸ケーブルを利用して伝送する。マンションなど1棟全体で契約する必要がある。J:COMはマンションなど賃貸物件の所有者を中心に売り込む考え。料金については既築マンションで20戸以上の場合で,1戸当たり月額3000~4000円程度となる見通し。賃貸物件の所有者が料金をまとめて支払う場合で,初期費用は未定。

 棟内の同軸ケーブル上の伝送には,米エントロピック・コミュニケーションズの「c.LINK」という技術を採用している。理論値は上り下り最大250Mビット/秒。J:COMは当初100Mビット/秒のサービスとして提供するが,より高速のサービスも検討をしている。

 なお,J:COM NET光はインターネット接続サービスであり,CATVの映像や電話のサービスを利用するには,別途設備を導入する必要がある。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション