総務省は6月22日,NTT東日本に行政指導を実施した。指導の対象は,NTT東日本が6月10日に明らかにした,提供地域内のすべての消防署に接続しないうちに,一部ユーザーに光・IP電話サービス「ひかり電話」を提供していたこと(関連記事)。これが,電気通信事業法第50条第1項違反に当たるとして注意した。

 電気通信事業法第50条第1項は,通信事業者が電話番号を使ったサービスを提供する際に,総務省令が定めた条件を満たすことを義務付けたもの。省令では,0AB~J番号を使った電話サービスを提供する場合,消防署などの緊急機関と接続していなければならないと定められている。

 今回の件について,NTT東日本は既に対処を済ませている。しかし,総務省は事業法違反を重く見て,総合通信基盤局長名で文書による注意を出した。併せて,緊急通報が利用できない状態でサービスを提供した経緯と原因についての調査結果と,再発防止策を報告するようNTT東日本に求めた。

(島津 忠承=日経コミュニケーション