企業向けのIP/インターネット電話サービスを提供しているエニーユーザーグローバルは6月13日,USBフラッシュ・メモリー型の端末(写真)を使うIP電話サービス「ImPhone」(アィムフォン)を発表した。8月1日から同社のWebサイトおよび販売代理店でIPフォン・ソフト内蔵のUSBメモリー端末の販売を始め,同端末を使ったIP電話サービスを開始する。

 ImPhoneは携帯USBメモリー・スティックとイヤホン・マイクを使ったモバイルIP電話サービス。パソコンのUSBポートに差し込むだけでIP電話用のソフトが起動。ソフトのインストールやネットワークの設定をせずに,インターネットにつながったパソコンならどこからでもIP電話サービスを使える。「インストールの手間をなくすことでSkypeなどのソフトフォンとの差異化を図っている」(宮町秀恒代表取締役社長)。通信形式はH.323プロトコルのVoIP(voice over IP)形式を採用している。

 発信可能なのは,ImPhone同士だけでなく一般の加入電話,携帯電話,PHS,050番号のIP電話,国際電話などで「電話番号を持つほとんどすべての電話に発信できる」(セールス&マーケティング本部マーケティングマネージャーの佐藤幸也氏)という。ただし,「110」,「119」,フリーダイヤルの「0120」といった特別番号には発信できない。着信については,サービス開始時はImPhoneだけから着信できる。「現在SIP(Session Initiation Protocol)を使ったフィールドテストの最中。年内のうちに050番号を総務省から取得して,どの電話からも着信できるようにしたい」(佐藤氏)としている。

 64MBのフラッシュ・メモリー内蔵型の端末価格は3970円。サービス・メニューには毎月367円の基本料を支払う「月額支払いプラン」と月額基本料が無料の「プリペイドプラン」がある。支払い方法はクレジットカードとコンビニ決済などを予定している。

 通話料はImPhone同士は無料。月額支払いプランの場合,固定電話へは3分8.19円,携帯電話へは1分18.15円,050番号のIP電話へは3分11.025円。050番号のIP電話については「他社と相互接続の交渉中」(宮町社長)だという。

(中村 良輝=日経コミュニケーション