写真 Adobe Acrobatで時刻認証の
データを埋め込んだ文書

 セイコープレシジョンは千葉市・幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2005」で時刻認証サービスのデモを実施している。セイコーが運営する認証局からネットワーク経由で正確な時刻を発行し,その時刻が改ざんされていないことを証明する。サービスの名称は「セイコーサイバータイム」で,4月から提供している。「社内で文書の存在を証明したり,社外に情報を公開する際の公表時間を管理したいユーザーなどが利用する」(説明員)という。

 サービスに接続するためのネットワーク回線は,インターネットVPN(仮想閉域網)や広域イーサネット,専用線などに対応。ユーザー拠点のサーバーやクライアント端末からアクセスして利用する。時刻を認証する手順はRFC 3161で規定するインターネット標準のTime-Stamp Protocol(TSP)に対応。TSPには米アドビ・システムズの文書管理ソフト「Adobe Acrobat 7.0」が準拠済みで,PDF文書に時刻を認証したスタンプ・データを挿入する機能を備えている(写真)。埋め込んだデータはAdobe ReaderなどPDF閲覧ソフトで参照できる。セイコープレシジョンはユーザー自身のアプリケーションに機能を組み込むための開発キットも提供している。

 料金は月額13万1250円から。初期導入費用として同額を徴収する。従来の時刻認証サービスの多くは1回当たりの料金で課金をしていたが,同社のサービスは定額制の月額課金のモデルとした。「料金が従量制だとコスト面から文書を選らんで認証していた。当社はどんどん認証してもらいたいため,定額制にした」(説明員)という。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション