千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」で,マクニカネットワークスのブースでは,拠点間でのファイルのやり取りを最大10倍程度まで高速化する装置を展示している。

 マクニカが展示しているのは,米ディスクサイトの「FilePort」(米国での名称,日本では未定)。米マイクロソフトのファイル共有プロトコルであるCIFS(common internet file system)の通信手順を最適化し,WANに流れるトラフィックを大幅に減らす。これにより,遅延によるスループットの低下を抑えられる。

 個人情報保護法が施行されて以降,企業の悩みの一つが各拠点に散らばるファイル・サーバーのデータの管理。サーバーをデータ・センターなどに集約すれば管理しやすくなるが,WAN経由でファイルの読み込みや保存をすると遅延の影響によって時間がかかり,エンドユーザーの使い勝手が損なわれる。そこで,拠点間のファイルのやり取りを高速化する「FilePort」の出番というわけだ。

 マクニカのブースでは,ディスクサイトのドロン・メイロム社長らが自らデモで高速化をアピールしていた(写真上)。「国際通信など,遅延が大きい場合は特に効果が大きい」(メイロム社長)。FilePortの価格は,「販売代理店により異なるが,拠点側に設置する装置が1台当たり150万~200万円程度,センター拠点側の装置がその倍くらいになる見込み」(マクニカネットワークスの一丸智司ストラテジックマーケティング室長)。

 WAN経由でのファイルのやり取りを高速化する製品は,「WAFS」(wide area file services)と呼ばれる。Interopの会場内ではマクニカのほかにもシスコシステムズが「Cisco 511 File Engine」(写真下)を,ネットマークスが米リバーベッド・テクノロジーの「Steelhead」を展示していた。

(島津 忠承=日経コミュニケーション