千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」で,カナダのノーテルネットワークスはW-CDMAのパケット通信高速化技術HSDPA(high-speed downlink packet access)のセミナーを開催。その中で現在各国で進行中のHSPDA実験環境を公開した。

 講演内容からソフトバンク・グループのBBモバイルでの実験環境が明らかになった(写真上)。5月末から開始したBBモバイルの実験では,基地局やそのバックボーン側の機器にノーテル製品を採用。端末側は,韓国LG電子のハンドセットなどを使用している。

 BBモバイルは5月に1.7GHz帯を使ったW-CDMAの実験本免許を取得。その実験の中でノーテルと共同でHSDPAの実験を実施していると明らかにしている(写真下)。HSDPAは伝送速度が最大14.4Mビット/秒で,セクター・スループット(1つの基地局内でのユーザーのスループットの総和)がW-CDMAの2倍。その一方,通信距離が大きくなると変調方式を変えて速度を下げていく。この結果,ダウンロード時間の短縮と安定したデータ通信を実現できる。


 ノーテルではBBモバイルだけではなく,各国でHSPDAの実験を進めている。現在実験が進んでいる事業者として,スペインのボーダフォン・スペイン,オーストリアのモビルコム,イスラエルのパートナー・コミュニケーションを挙げた。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション