千葉市・幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2005」で,NTT東日本の高島元・代表取締役副社長(写真1)が,「ブロードバンドネットワーク・サービスの展開について」と題して講演。NTTグループの将来のサービス像として携帯との融合に言及し,「グループ一丸となって,ブロードバンドと携帯電話が融合した“One Phone”を提供していきたい」といったサービス像を語った。

 高島副社長は,現状の日本の通信環境について,(1)ADSL(asymmetric digital subscriber line)やFTTH(fiber to the home)などが普及したブロードバンド先進国である点と,(2)インターネット接続可能な携帯電話が9割を超えるなどモバイル先進国である点を挙げた。この環境を生かすことが新しいビジネスや生活スタイルの変化につながるとし,例として,インターネットによる購買行動の変化を挙げた。当初は販売者からの一方的だった情報の流れが,ブロードバンド化やモバイル化で消費者同士の情報交換が加速。消費者から販売者への情報の流れが出てきたことを挙げた。

 この情報の流れの変化によって,「ネットワークに対する要求が,ダウンロードが速いだけのネットワークを時代遅れのもの」(高島副社長)にするとし,アップロードが速いネットワーク,つまりADSLからFTTHへの移行を加速するとした。

 今後,NTT東日本では,「カンバセーション」「生活サポート」「エンターテインメント」を軸にサービスを提供。特にカンバセーションに関してはIP電話やモバイルなども含めてシームレスなコミュニケーションが重要になるとした。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション