千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」では,FOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」を使った企業内線システムが目白押し。そんな中で注目したいのが,無線LANアクセス・ポイント(AP)の位置などと連動したプレゼンス(在席状況)・システムだ。携帯を内線電話として使うモバイル・セントレックスでは,プレゼンスの活用が円滑な運用の鍵となる。

 NECが参考出展していたのが「自動プレゼンス更新」(写真上)。N900iLやPDA(携帯情報端末),パソコンで動作するソフトフォンなどを対象としたシステムで,ユーザーがいる場所をAPなどから割り出し,プレゼンス情報を更新する。例えばN900iLが会議室内の無線LAN APに所属したら,自動的にプレゼンス情報が「会議中」になる。無線LANの通信エリア外に出ると,プレゼンスを「外出中」に自動更新する。Webブラウザを搭載するPDAやパソコンから,プレゼンスを手動更新することも可能。


 自動プレゼンス更新は,同社のSIPサーバー「SV7000」とN900iL,無線LAN機器「WLシリーズ」を組み合わせた内線システム「UNIVERGE“FOMA”連携ソリューション」のラインアップの一つ。8月ころの出荷予定で,同社のプレゼンス・サーバー「UNIVERGE PS1000」と組み合わせて使うことも可能だ。

 無線LAN APのメーカーにとらわれない位置情報システムを展示していたのがアイコム(写真下)。米エアー・ブロードバンド・コミュニケーションズの無線LANスイッチを使って,アイコム製の無線LAN APを管理した。この管理情報に位置情報を設定し,ユーザーのN900iLが通信している無線LAN APと連動することでプレゼンス情報を自動更新するといったデモを実施していた。N900iL上からWLANブラウザ(無線LAN環境で使うブラウザ)を使ってプレゼンス情報の確認や手動更新もできる。米エアー・ブロードバンド・コミュニケーションズの無線LANスイッチは,アイコムだけではなく,その他のメーカーの無線LAN APも統合管理が可能。ただし,無線区間の帯域制御などの細かい管理はできない。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション