総務省は6月6日,FTTH(fiber to the home)回線の敷設時に必要な電柱の利用手続きを簡素化する措置についての検討会の第2回を開催した(写真)。会合に参加した顔ぶれは前回と同じで,東西NTT,KDDI,ソフトバンク・グループの通信事業者各社と,電柱を管理する電力会社などである。

 第2回の会合では,東西NTTが電柱に保有するケーブル敷設用の専用スペースの一部を,他事業者に開放する際の優先順位をどのようにするかが主な議論になった。

 これは,第1回の会合で議論の応酬があった点を踏まえてのもの。東西NTTは,電柱の3カ所に保有するケーブル敷設用の専用スペースのうち1カ所を,「共用スペースの空きがない場合には,他社にも開放する」との改善案を第1回で示した。しかし他事業者からは,「東西NTTと敷設の条件がそろうよう,優先的に専用スペースを使いたい。専用スペースの空きがない時は,東西NTTが利用中のスペースにケーブルを束ねて敷設する一束化という手法に応じてほしい」(ソフトバンク)などと要望が挙がっていた。

 東西NTTは今回,「当初から一部の専用スペースを開放することに同意する」と歩み寄った。ただし他事業者のケーブルとの一束化については,「事故が発生した際に誰が責任を取るのかなどを事前にはっきりさせておく必要があるなど課題が多い」と,あらためて反対を表明。一束化の難しさを解説するビデオ映像を流すなどして他事業者の理解を求めた。これに対してソフトバンクは東西NTTとは異なる一束化手法の案を例示したが,東西NTTの同意は得られなかった。

 今後はこの一束化の可否のほか,点架ポイントの利用申請手続きの簡素化について議論する。第3回の会合は,6月20日に開催する予定である。

(島津 忠承=日経コミュニケーション