英BTやKDDI,NTTに続き,ドイツ・テレコムも,固定電話網のIP化を検討していることが明らかになった。移行の目標としてあげた時期は7年後の2012年だ。

 横浜・みなとみらいで開催中の国際イベント「BROADBAND WORLD FORUM(BWF)ASIA」のセッション,「The State of Global Broadband-Service Provider Perspectives」の冒頭で,衝撃の発言が飛び出した。

 セッションに参加したのは,ドイツ・テレコムとチャイナ・ネットコム,NTTコミュニケーションズ,英BT,韓国のKT。まず,議長を務めるドイツ・テレコムのホースト・メルヒャー プレジデント・カントリー・マネージャが,ドイツのブロードバンド状況について説明した。その後,バックボーンの拡充計画に言及。「既存の加入電話網とIPネットワークを相互接続する段階が第一ステップとして考えると,IPネットワーク上に新しいサービスを乗せていく時期が第二ステップ。そして,IPネットワークに既存の加入電話網を代替させてしまうのが最後の第三ステップ」(メルヒャー プレジデント)。

 具体的な移行方式などの詳細は明らかにしなかったが,「2012年までには完成させたい」(メルヒャー プレジデント)と,移行の時期を明言。しかも,加入電話網のIP化について説明したプレゼンテーション資料には,「NGN」の文字が入っていた(写真)。標準化が進む次世代ネットワーク・アーキテクチャ「NGN(next generation network)」の動向を見ながら具体的な検討を進めるようだ。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション