NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が同社のIPセントレックス・サービスと,NTTドコモの無線LAN機能付き携帯電話「N900iL」との連携サービスを開発中であることが明らかとなった。ユーザー拠点にNTTコムの回線を引き込み,無線LANのアクセス・ポイントを設置するだけで,モバイル・セントレックスのサービスが利用できるようになる。社内では「050」番号のIP電話,社外では「090」番号の携帯電話として使う。

 現在,N900iLを使ったIP電話システムを構築するには,ユーザー側の拠点にIP電話サーバーを設置する必要があり初期投資が必要となる。IP電話サーバーはN900iL対応のIP-PBXとしてNECや沖電気工業,富士通などが提供している。

 これに対してNTTコムの連携サービスを利用すれば,IP電話サーバーを用意する必要がない。IP電話サーバーはNTTコムがセンターが運用し,サービスとして提供する。ユーザー側には,無線LANのアクセス・ポイントを設置するだけでいい。NTTコムは連携サービスを「.Phone IP Centrex」のモバイル・セントレックス・プランとして提供する見通し。

 NTTコムは.Phone IP Centrexのモバイル・セントレックス・プランを始めるのに先駆けて,簡易型のサービスを6月にも投入する。ユーザー拠点にFTTHやADSLなどのブロードバンド回線を導入し,拠点に無線LAN機能付きのアダプタ装置を設置することで利用できるようにする。モバイル・セントレックス・プランに比べると,「N900iL」の制御を細かく設定できない。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション