インターネットイニシアティブ,インターネットマルチフィード,NTTコミュニケーションズ,NTT持ち株会社の4社は5月26日,次世代IXの実証実験で基本動作を確認したと発表した。実験は2004年9月3日から2005年3月末日の半年間にわたり実施した。

 具体的には,NTT研究所が開発したGMPLS(generalized multi-protocol label switching)対応の光クロスコネクト(OXC:optical cross connect)を使う「フォトニックIX」(internet exchange)である。現在,IXでの相互接続に使っているIPルーターやレイヤー2スイッチとOXCを連携させ,プロバイダ同士を光のパスでつなぐ。こうすることで大容量化が可能になるとともに,GMPLSによる信頼性の向上も狙える。

 インターネット・トラフィックは増加の一途をたどっており,特にインターネット接続事業者(プロバイダ)の相互接続点であるIXでは顕著な傾向を示している。日本インターネットエクスチェンジ(JPIX),メディアエクスチェンジ(MEX),インターネットマルチフィードの国内の3大IXでは,年間2~3倍のペースでトラフィックが増加し続けており,2004年上半期末の時点では90Gビット/秒のトラフィック量(月間平均値)に達したという。

 今後は,実フィールドでの長期運用試験や,実運用に向けた課題の洗い出しなども行う考えだ。またNTTグループは今回の成果を,NTT持ち株会社が2004年11月に公表した中期経営戦略の次世代ネットワークの検討にも生かす方針である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション

●日経コミュニケーション編集部より 記事掲載時には実験終了を2007年としておりましたが2005年の誤りであり,修正しました。2005.05.27