「価格.com」を運営するカカクコムは5月25日,24日に復旧した同社Webサイトに対する不正アクセス事件についての記者会見を開催した。

 会見で穐田誉輝社長は,ユーザーが登録した約55万件のメール・アドレスのうち,2万2511件が流出したと発表(写真)。また,攻撃元のIPアドレスの一部を特定するなど,不正アクセスの経路や原因の解明が進んだとした。

 ただし原因の詳細は,(1)類似犯罪を誘発しかねない,(2)警察の捜査に支障をきたす恐れがある――の2点を理由に挙げ公表しなかった。データベース・サーバーにアクセスするプログラムのぜい弱性が原因とする一部報道は,「当社から出た情報ではない」(穐田社長)と否定も肯定もしなかった。

 さらに,警察の捜査が進んでからも,「警察の発表がすべて」(穐田社長)とし,不正アクセスの原因をカカクコムからは公開しない方針を示した。

 カカクコムは24日にサイトを再開するにあたってOSを再インストールしたほか,ソフトウエアの全面的な見直しなどを実施した。さらに再発防止のため,情報セキュリティ会社であるラックの三輪信雄社長らで構成する「カカクコムセキュリティ対策委員会」を設置。同委員会を通じていっそうのセキュリティ対策の向上を図るという。

(島津 忠承=日経コミュニケーション