NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は5月17日,同社のIP電話網を利用して2者間の通話を中継するサービスを始めることを明らかにした。利用者は携帯電話やパソコンのWebブラウザで相手の電話番号を選択するだけで電話をかけることができるようになる。また,ケースによって異なるが,携帯電話では通話料金を2割ほど節約できるという。

 このサービスはNTTコムのIP電話サーバーを利用することで実現する。具体的には,発信元のユーザーが携帯電話やパソコンなどのWebブラウザでNTTコムのIP電話サーバーに接続。そして通話先の電話番号を入力する。その後,NTTコムのIP電話サーバーがあらかじめ登録してあるユーザーの電話番号と,通話先の電話番号をそれぞれ呼び出す。これによって,両者の端末がIP電話発の通話としてつながることとなる。

 サービスを契約するユーザーには個別の050番号が割り当てられる。発信者番号表示はこの050番号となる。通話料金については「ケースによって異なるが,3分130円程度の携帯電話間の通話料金が3分100円程度になる」(NTTコム)という。運用によっては,仕事利用の通話料金だけを会社持ちにするといった使い方も可能となる。

 NTTコムは同サービスを通話料金の節約というよりも,IP電話のアプリケーション連携サービスの一つとして売り込みたい考え。具体的には,NTTコムがユーザーや企業などに個別のアドレス帳サーバーを用意。携帯電話やパソコンから参照し,アドレス帳で相手を選択するだけで通話が可能となる。仮に携帯電話を落としたとしても,「該当するユーザーのIDを無効にすれば,情報が漏れることはない」(NTTコム)。

 サービスは法人向けに1ユーザー当たり月額1050円で提供する予定。携帯電話の利用時間が多いユーザーの中には,月額1050円を支払っても料金メリットが出る場合もある。5月中に受付を開始し,6月にもサービスを開始する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション