NTTデータは5月9日,2004年度(2005年3月期)の決算を発表した。連結での売上高は,8541億円と前年度比0.9%の増収だったが,営業利益は392億円で同34.2%減,経常利益は321億円で同35.2%減,当期純利益は201億円で同25.4%減の大幅な減益となった。連結対象会社の売り上げ拡大が増収につながったが,中期経営計画で掲げた施策への投資や同社の主力事業であるシステム・インテグレーション事業での原価率の悪化が影響した。

 同社は中期経営計画に基づき,積極的な中途採用,無線ICタグを初めとした新規ビジネスモデルの開発,オープン・システムの開発や運用ノウハウの蓄積などの施策を実施。2004年度は合計150億円を投資し大幅減益の大きな要因となった。
 
 また,システム・インテグレーション事業の原価率の悪化は,金融機関向けシステムがサービス開始直後だったのが影響した。システム開発の際の原価計上方法としては,設計・建設中には費用を貸借対照表に計上するが,サービス開始時に売上原価として損益計算書に計上する。これが2004年度の収益悪化として表れた。
 
 2005年度(2006年3月期)の業績予想では,売上高を前年度比3%増の8800億円,営業利益を同14.5%増の450億円と見込む。NTTデータの浜口友一社長(写真)は,「2004年度の業績がボトムだと思っている」と増収増益に自信を見せている。
 

(中村 良輝=日経コミュニケーション