NTTドコモと三井住友フィナンシャルグループ,三井住友カード,三井住友銀行は4月27日,携帯電話を利用したクレジットカード事業の業務・資本提携に合意した(写真)。FeliCaを搭載した「おサイフケータイ」に新たにクレジット決済サービス機能を追加する。これまで,おサイフケータイは電子マネー方式のため小額決済が主だったが,クレジットカード機能を搭載することで,小額から高額までをカバーできるようになる。

 今回発表した新サービスは,FeliCa機能を搭載した携帯電話端末に,クレジットカード機能を持たせるもの。ただし具体的な実装方法などは未定。サービス開始時期については「一年ほどかかるだろうが,できるだけ早く実現させる」(NTTドコモ中村維夫社長)としている。三井住友カードは,おサイフケータイによるクレジット決済サービスが利用可能な加盟店端末を全国規模で設置をする。将来は,NTTドコモがクレジット事業者として,プラスチック製のカードや「VISA」,「Master」など国際ブランド付きカードの発行なども計画している。

 NTTドコモは今回,三井住友カードに対し約980億円を出資,増資引き受けなどにより発行済み株式総額の34%相当を取得する。三井住友カードの株主総会で重要事項に対する拒否権を持つことになり,金融事業に本格的に進出する。
 

(中村 良輝=日経コミュニケーション