トレンドマイクロのエバ・チェン社長は4月26日,都内で会見を開き,23日に発生したウイルスバスターのパターン・ファイルの不具合による大規模障害を謝罪した(写真,中央がエバ・チェン社長)。チェン社長は「最後のパソコンの復旧が終わるまで,私の給与を594円にする」と自身への処分を表明した。594は不具合のあったパターン・ファイルのバージョン番号。今回の障害を今後も忘れないようにこの金額にしたという。

 トレンドマイクロによると,今回の障害の遠因はウイルスの複雑化がある。従来,パターン・ファイルはウイルスなどを判定するためのパターンを記述した「データ」だった。しかし,最近ではパターン・ファイルに「プログラム」を組み込み,複雑な仕組みを持つウイルスを発見できるようにしていた。今回,このプログラムにミスがあったもの。

 チェン社長は「パターン・ファイルのプログラムを作るエンジニアの教育に,一層力を入れる」と今後の対策を語った。

(武部 健一=日経コミュニケーション