総務省は4月25日,今後の電話番号の制度や運用について議論する「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の第3回会合を開催した。今回の目的は,これまでに議論となった論点を整理すること。

 電話番号は従来,(1)サービスの識別,(2)地理的識別,という二つの目的で割り当てられてきた。例えば(1)は,相手の電話番号が「080」で始まれば携帯電話,「050」で始まればIP電話と分かる。また(2)は,「03」であれば相手が東京23区内にいると判断できるなどだ。

 しかし,現在では,(3)料金,(4)通話品質,(5)社会的信頼性などを識別する役割も担い始めた。例えば(3)は,異なる市外局番に電話をかける場合は料金が高くなると分かる。(4)は携帯電話よりも固定電話の方が一般に通話品質が良い,(5)は携帯電話よりも固定電話の方が相手の所在地を特定しやすいので信用度が高い――といった感覚的なものも含む。そのため,(1)や(2)だけでなく,(3)~(5)の観点からも検討が必要であるとした。

 最終的には上記に加え,(6)電気通信番号の役割,(7)IP化による電話番号への影響,(8)新しいサービスの番号,(9)その他,の合計九つに論点を絞ることになった。(8)は固定通信網と移動通信網を融合したFMC(fixed mobile convergence)などを想定する。議論では,「現行の制度でFMCのサービスを提供するとなると電話番号はどうなるのか」といった質問も出たが,総務省は明確な回答を避けた。2005年6月に予定する次回の会合は,(1)~(9)を中心に報告書の原案を作成し,まとめることになる。