ボーダフォンは4月20日,「家族通話定額」,「デュアルパケット定額」,「メール定額」の3つの新サービスを発表した。デュアルパケット定額とメール定額は6月1日に開始し,家族通話定額は11月1日に開始する。家族間という条件付きだが,携帯電話での音声定額は初。「ボーダフォンを選んでもらえるような料金サービスにすることで,先日の社長・会長会見で掲げた反転攻勢を狙う」(同社)。なおPHSでは,ウィルコムが全ウィルコム・ユーザーへの発信を対象とした音声定額制を5月に開始予定。

 家族通話定額は,家族単位で契約する割引サービス「家族割引」加入者を対象に,家族間通話を月額315円の定額にするサービス。サービス開始前のキャンペーンとして,7月1日から10月末まで家族割引ユーザーの家族内通話を無料にする。携帯電話の機種などによる制限はない。2月にスタートしている「家族間メール無料」サービスと組み合わせることで,家族内のコミュニケーション手段はほぼ完全に定額化できる。

 デュアルパケット定額は,第3世代携帯電話サービス「Vodafone 3G」のユーザーが対象で,携帯電話向けコンテンツ「ボーダフォンライブ!」やメール送受信のパケット通信が定額になる。具体的には,2万パケットまで1050円,2万パケット~7万8000パケットが従量課金,7万8000パケット以上が4095円という2段階の定額を用意する。これは,KDDIと沖縄セルラー電話がauブランドで提供している「ダブル定額」とほぼ同様の料金体系だ。なお「702NK」向けSymbianアプリとして提供されているACCESSのフルブラウザ「NetFront for Series 60 702NK edition」によるアクセスは定額の対象外だ。

 ボーダフォンは,従来から「パケットフリー」と呼ぶパケット定額サービスを提供していたが,月額4095円と高価なうえ月額基本料6195円の「バリューパックシルバー」以上のメニューでしか利用できない。そのため1カ月の請求額が1万円以上になるヘビー・ユーザー向けだった。しかしデュアルパケット定額は,月額基本料3675円の「ライトコールパック」を含む現行の全メニューで利用できる。

 メール定額は,ボーダフォン3Gのユーザーを対象にメール送受信料金を月額840円の定額制にする。同社は2月から,月額315円で指定した5人へのメール送受信を定額化する「指定割引」サービスを提供していた。このサービスとは異なり,新サービスのメール定額は送受信先の指定は必要ない。ただしデュアルパケット定額との併用はできない。