NTT西日本の関連会社であるNTTネオメイト四国は4月11日,長距離ユーザー向けのDSLサービスへの取り組みを明らかにした。既に2004年12月から香川県の琴南町で開始しており,4月28日には仲南町でも始める。

 今回のサービスでは,米パラダインの長距離向けDSL伝送技術「ReachDSL」に対応した伝送機器を使う。ReachDSLは通常のADSLが利用できない長距離であっても,数百kビット/秒の速度で接続できるという特徴がある。NTTネオメイト四国によると「ReachDSLは従来のADSLの2倍以上の距離でも接続できる。最長で電話局から13キロメートル離れたユーザーが,上り下り約300kビット/秒の速度で利用できている」という。

 NTTネオメイト四国はReachDSLのサービスを,自治体から要望が出ているエリアに展開する。サービス提供の条件は「100ユーザー程度の申し込みが見込めること」(NTTネオメイト四国)。琴南町では利用中のユーザー数で50あり,仲南町では既に130ユーザーの申し込みがある。料金については月額4480円に設定した。
 今年8月にはメニュー化。四国内の多くのエリアで利用できるようにする。具体的には,「QUALIA-DSL サービス」の長距離タイプとして提供していく予定。

 ReachDSLをNTTグループがメニュー化して提供するのは初。従来は,東西NTTおよび関連会社のNTTネオメイト・グループが主に自治体の個別案件としてサービスを構築し提供していた。NTTグループ以外では,ソフトバンクBBや長野県協同電算(JANIS),有線放送電話の事業者がメニュー化して提供している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション