日本ユニシスの子会社でSI事業者のユニアデックスは,NTTドコモの無線LAN/FOMAデュアル端末「N900iL」を約600台使った無線IP電話システムを社内に導入,3月7日に正式稼働させた。新規に携帯内線電話を導入しただけでなく,一部は既に使用していた事業所PHSをN900iLを使ったシステムに置き換えた。1人1台の電話を持ち歩くことで業務効率の改善や,異動に伴う内線電話変更などで発生するコスト削減を狙う。

 ユニアデックスは,SI事業者としてN900iLを使った無線IP電話システムをユーザー企業に提供する立場にある。まずは自社で活用し,無線LANとFOMAのデュアル端末を利用する新しい内線電話システムへのユーザー側の不安を払拭するという狙いもある。

 使用するSIP(session initiation protocol)サーバーはネクストジェン製。電話交換機能はNTTドコモが独自に拡張した“拡張SIP”ではなく,RFC(request for comment)準拠の範囲で実装した。無線LANアクセス・ポイントと無線LANスイッチは米アルバワイヤレスネットワークスの製品を採用した。

 在席状況などを表す「プレゼンス機能」やブラウザから利用するオンライン電話帳などのアプリケーションも活用。プレゼンスは,無線LANブラウザから実行する(写真,ただしデモ版)。N900iLのブラウザだけではなく,パソコンからもプレゼンス状況の確認や変更が可能である。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション