FW(ファイアウォール)やVPN(仮想閉域網)などを搭載したセキュリティ・ゲートウエイ装置のベンダーである米ソニックウォールが本誌と会見。内山高夫・在日代表カントリーダイレクタ(写真)が,迷惑メールとスパイウエアへの対策を強化する新製品を日本市場に投入すると明らかにした。

 日本で提供を始める製品は,迷惑メール対策機能とスパイウエア対策機能を搭載したセキュリティ装置用OS「SonicOS」の新版と,セキュリティ装置と連携するパソコン用のクライアント・ソフトウエア「Global Security Client」,FWとVPNを除いたセキュリティ機能を搭載したセキュリティ装置「Content Security Manager」──である。

 第1弾として,2月9日にセキュリティ装置用OSの新版「SonicOS 3.0日本語版」の提供を開始した。このOSのEnhanced版に,RBL(realtime blacklist)を参照して迷惑メールを判定するフィルタリング機能を盛り込んだ。ウイルス対策ゲートウエイも搭載できるようになっている。迷惑メール対策機能は,今後強化する計画がある。

 今年の第二または第三四半期に日本で提供する予定のSonicOSの次期バージョン3.1には,スパイウエア対策機能を搭載する。約1000のシグネチャを提供し,パケットを検査してスパイウエアを検出する仕組みにするという。

 ただし,スパイウエアがパソコンに入り込んだ後だとゲートウエイで駆除できない。こうした事態に対処できるのが,「Global Security Client」の新版。これはパーソナル・ファイアウォール/VPNクライアントの機能を搭載したパソコン用ソフトで,米国ではバージョン1.0が提供中。ここにパソコン側でのスパイウエア対策機能を搭載する予定で,新版のバージョン2.0として今夏に日本で提供を開始する。

 また今夏にも,FWとVPNを除いたコンテンツ・セキュリティ装置「Content Security Manager」を発売する。「この製品を発売することで,既に他社のFW/VPN装置を使っている企業でも我々のコンテンツ・セキュリティを導入してもらえる」(内山代表)。米国では既に発売中の製品だが,URLフィルタリングのデータベースなどを日本向けにカスタマイズして日本市場に投入する。

 製品の投入以外にサポート体制の拡充も目指す。「24時間のオンサイト・サポートの提供地域を拡大する取り組みを進めている」(内山代表)という。「我々は無線アクセス・ポイントも持っている。今後はリモート,ゲートウエイ,内部ネットワーク──のマルチレイヤ・セキュリティの提供を目指す」(同)。

 また同社は,VoIP(voice over IP)やビデオといったデータのセキュリティにも注力する。米国では,ソニーのテレビ会議システムにソニックウォールのファイアウォールをバンドルしているという。米国本社はVoIP機器ベンダーとの提携も模索しているところだ。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション