ウィルコム(旧DDIポケット)は2月24日,「5月をめどに月3000~4000円の音声定額サービスを導入する」との一部報道に対して「音声の定額サービスを計画しているのは事実」(広報部)とコメントした。ただし「具体的なサービス・イメージについては,まだ検討中」(同)とし,料金や導入時期については未定とした。

 同社は,DDIポケットから新会社へ移行した2004年10月ころから,PHS同士の通話が“かけ放題”になる音声定額サービスを導入することを表明済み。そのため,PHS基地局から先のバックボーン・ネットワークのIP化を進めている。

 具体的には,NTT局に設置した「ITX」(IP transit exchange)と呼ぶ装置が,PHS基地局からISDN経由で送られてきた音声・データをIP化。トラフィックを同社のIPバックボーンに流すことで,伝送コストを抑える。2005年3月までに東京都内と神奈川県の一部,2006年3月に東京都周辺の県と全国の政令指定都市のIP化を終える予定。また1~2年中に基地局の収容回線の光化も進める。ウィルコムはこうした取り組みを背景に,料金や導入時期,個人・法人などサービスの提供対象,定額制の適用エリアを詰めている段階である。

 携帯電話では,KDDIやボーダフォンが音声通話の定額サービスを提供中だが,いずれも企業向けのもの。定額制の適用エリアが限られたり,初期費用や月額利用料が個人向けよりかさむ。ウィルコムの料金設定次第では,携帯電話事業者もサービス内容の見直しを迫られそうだ。