フォトニックインターネットラボ(PIL)と米アイソコア・インターネットワーキング・ラボは,アジアでは初となる大規模なGMPLS(generalized multiprotocol label switching)相互接続試験を実施した。IPと光ネットワークに関する国際技術者会議「IP+Optical network(iPOP)2005」で,一般に公開した。iPOP 2月21日と22日の2日間,東京都江東区の東京ファッションタウンで開催した。

 GMPLSは,IP-VPNサービスなどの実現技術「MPLS(multiprotocol label switching)」を光ネットワークでも使えるように拡張した技術。光波長を元に経路を決めるなど,IPレイヤーと光ネットワークを連携させた管理・制御が可能となる。通信事業者網にGMPLSを導入すれば,ネットワークの拡張性や耐障害性が高まると期待されている。

 インターネット技術の標準化団体「IETF(Internet Engineering Task Force)」などで標準化作業が進められており,ルーティング・プロトコルやシグナリング・プロトコルは標準化済みである。だが,通信事業者網に導入するには,冗長化技術や運用ツールなどに課題を残している。

 今回の相互接続試験では,iPOP 2005の会場とアイソコアのサイトをつなぎ,障害発生時の冗長化技術,MPLS網からGMPLS網へのマイグレーション方法,複数のレイヤーにまたがったトラフィック・エンジニアリング機能--などを検証した。通信事業者の実導入へ,一歩近づいたと言えるだろう。

 日本側メンバーはPILに参画するNEC,NTT持ち株会社,NTTアドバンステクノロジ,KDDI,NEC,東陽テクニカ,日立製作所,富士通,古河電気工業,三菱電機の10社。海外からは,アイソコアに参加している米アビチ・システムズ,米ジュニパーネットワークス,米シカモア・ネットワークスが参加。計13社で実施した。

(山根 小雪=日経コミュニケーション