NTT東西地域会社は2月22日,電話接続料を総務省に申請した。接続料とは,他事業者が東西NTTの加入電話網と接続する際に支払う利用料金のこと。今回申請したのは,2004年度と2005年度に適用する分。

 まず,2004年度の接続料の内訳は,他事業者が東西NTTの加入者交換局(GC)と接続する場合で3分当たり5.18円。中継交換局(IC)と接続する場合で同6.17円。

 2004年度の接続料は当初,GC接続が4.37円,IC接続が5.36円で2003年に認可された。ただし2001年度下期と2002年度上期の実績に比べて,通話トラフィックが大幅に減った場合は,各事業者が追加負担するという条件が付いている。東西NTTは今回,36.9%のトラフィック減少が見込まれるとして値上げを申請した。当初の認可料金よりGC接続,IC接続ともに3分当たり0.81円の値上げとなる。

 一方,2005年度の接続料は,GC接続を3分当たり5.32円,IC接続を同7.09円にそれぞれ値上げすると申請した。大幅な値上げを申請した2004年度の見込み料金より,GC接続で3分当たり0.14円,IC接続で同0.92円の値上げとなる。

 今回の接続料の値上げは,他事業者の電話サービスに大きな打撃を及ぼす。特に中継電話サービスは,接続料が両端でかかるため負担が大きい。事業者で接続料の値上げ分を吸収できず,サービス料金の値上げにつながる恐れもある。

 接続料は現在,年間にかかった電話設備のコストを通話トラフィックで割って算定している。最近では携帯電話やIP電話サービスの普及によって加入電話網のトラフィックが著しく減少しているため,今回の値上げ申請につながった。算定方式の抜本的な見直しを求める議論にも火がつきそうだ。

(島津 忠承=日経コミュニケーション