ソニーは2月18日,3月10日に発売予定の無線LAN機能やインターネット接続を搭載したテレビ「LF-X5」のデモを実演した。家庭のテレビで受信した番組を,NTT東日本の無線LANアクセス・サービス「フレッツSPOT」で視聴できる(写真)。こうした利用形態は,固定と移動体通信を融合した「FMC」(fixed mobile convergence)サービスの一つとして,通信事業者が注目している。

 「LF-X1」は,「ベースステーション」と呼ぶ宅内に設置する装置と小型のモニターのセット。ベースステーションには,10BASE-T/100BASE-TXのイーサネット・ポートとIEEE802.11a/b/gに対応した無線LANのほか,テレビ・アンテナ,AV機器の入力インタフェースを搭載する。「スカイパーフェクTV!」のチューナーも接続できる。

 モニターとの間は無線LANで通信。ベースステーションで受信したテレビ放送や接続したDVDレコーダーのコンテンツを視聴できる。モニターは屋外でも利用可能。自宅のベースステーションをインターネットに接続しておけば,フレッツ・スポットからリモートでアクセスできる。「家の外にテレビを持ち出していくという新しい楽しみ方を提案したい」(ソニーの前田悟・テレビ事業本部LEX事業室長)。今後は,テレビだけでなく無線LAN対応の電話機などの開発も考えていると言う。

 NTT東日本にとっては,フレッツ・ユーザーの利用者拡大が期待できる。「自宅のベースステーションの常時接続回線にはブロードバンドが必要になるため,Bフレッツの利用拡大にも期待したい」(NTT東日本担当者)。NTT西日本の無線LANアクセス・サービス「フレッツ・スポット」でも利用可能にする予定。

 LF-X5の価格はオープンだが,参考価格は12万5000円である。