電気通信事業者協会(TCA)は2月17日,発信者電話番号の偽装表示について対応策を打ち出すと発表した。携帯電話や固定電話に,警察の「110番」や自宅の電話番号などを不正に表示させ,振り込め詐欺などの行為に悪用するケースが出ていることに対応したものだ。

 同日,TCAに固定電話,携帯電話/PHSの主要事業者10社以上が集まり,専門のワーキング・グループ「発信者電話番号偽装表示対策検討部会」を設置。発信者番号を偽装する技術・設備的な面での手口情報の共有,対策について検討した。スケジュールについては未定だが「あまり時間をかけてはいられない」(TCA)として,早急な対策を講じる考え。

 偽番号表示の手口については「海外からのコール・バックが悪用されていると言われるが,本当にそれだけなのか調べたい。対策については確固たるものが決まった時点で詳細を明らかにする」(TCA)という。

 現時点で通信事業者やTCAは「自宅や警察の電話番号の表示があっても,不審な電話は通話を終了し折り返し電話をかけ直す」「詐欺などの疑いがある場合は,速やかに警察に相談する」といった対策を提示している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション