CATV統括会社のジュピターテレコム(J-COM)は2月10日,グループの「ジェイコム札幌」が4月から開始予定のIP電話サービスのデモを実施した。東京と札幌間での音声通話やファクシミリの通信を披露した。デモにはイッツ・コミュニケーションズなど約30のCATV事業者が参加。関心の高さをうかがわせた。

 サービスの名称は現在J-COMグループで提供中の回線交換型の電話と同じ「J-COMPhone」。音声品質が既存の固定電話と同等かつ,札幌市の「011」番号による受発信と110番などの緊急通報の発信ができることをアピール。NTTの固定電話を置き換える「プライマリ電話」として売り込む。月額の基本料金は1397円を予定している。通話料金は距離に依存し,8.3円で通話できる時間は,市内が180秒,160km以上の北海道内が45秒,道外が22.5秒など。

 IP電話の受発信制御用のソフトスイッチはJ-COMグループの東京の拠点に設置。全国のJ-COMグループや提携するCATV事業者が利用できるようにする。

 J-COMは現在電話サービスを提供していないCATV局やエリアから,IP電話サービスを導入していく考え。札幌以外ではグループの調布ケーブルテレビジョンやジェイコム群馬などが計画に挙がっている。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション