ボーダフォンは2月7日,4月1日付で津田志郎・代表執行役社長兼CEO(最高経営責任者)が代表執行役会長に,元日本テレコム社長のウィリアム・モロー氏が代表執行役社長に就任する人事を発表した。モロー氏は現在就任している英国ボーダフォンの社長を退任する。

 津田社長は昨年12月にボーダフォン社長に就任したばかり。わずか3カ月での交代について,「事業改善の一環として,経営体制を強化するため」と理由を説明した(写真)。英国,日本の両法人に太いパイプを持つモロー氏の実績に期待し,「ボーダフォン・グループと日本法人との調整役をお願いしたい」(津田社長)。津田社長自身は,国内の携帯電話事業戦略に全力をあげる。

 新役員体制では,CEOやCOO(最高執行責任者)などの役職は置かない。「私とモロー社長の完全な“二人三脚体制”で事業改革にのぞむ」(津田社長)。ボーダフォンは現在,携帯電話の契約獲得で他事業者に大きく後れを取っている状況。「こうした状況から早期に脱するためには,事業改善に全社で取り組む必要がある。短期間での社長交代について思い悩んだこともあったが,メリットが大きいと判断した」(津田社長)。