日経BP社主催のITソリューション展「NET&COM 2005」の2日目は,ネオジャパンのブースに大きな人だかりができた。そこで公演したのは,無償IP電話ソフト「Skype」を開発したルクセンブルグのスカイプ・テクノロジーズのビンセント・ショーティノ日本ビジネス開発担当部長。

 ショーティノ氏は公演の冒頭で,「高価なソフトフォンが世の中に数多くあるが,一番使えるのは(無償の)Skype」と断言。続けて「全世界の累計ダウンロード数は約5600万になった。新規の登録ユーザー数は1日当たり14万人で,現在の登録ユーザー数は約2400万人いる」と好調ぶりをアピールした。そのうち,「日本の登録ユーザーは現在約70万人なので,今年中に500万人に増やしたい」(同氏)とした。

 Skypeは個人向けのイメージが強いが,今後は企業に対しても積極的に売り込む。「IPセントレックス導入で通話コストを削減できることは確か。しかし,初期投資がかなりかかるので,中小企業はなかなか導入できない。そんなときは是非Skypeを使ってほしい」(ショーティノ氏)と訴える。

 実際,国内でも企業でSkypeを活用するユーザーが徐々に増えてきているという。アジアの雑貨などの輸入販売を手がける生活考房(本社:愛知県名古屋市)が,国内に約40カ所ある店舗間の通話にSkypeを利用しているという実例も挙げた。

 Skypeはユーザー情報の管理にピア・ツー・ピア技術を応用し,サービス運営者がサーバーなどの設備を持つ必要がない点が大きな特徴。メンバー登録したユーザー間で無料の通話が可能。「スカイプアウト」と呼び,一般加入電話や携帯電話へも割安な料金で通話できる。

 「国内通話はソフトバンクBBのBBフォンと同程度だが,国際電話になると8割から9割程度安い」(ショーティノ氏)。一般固定電話や携帯電話からSkypeに対する通話が可能にする「スカイプイン」機能も近日中に追加する予定である。

(榊原 康=日経コミュニケーション)