総務省は1月19日,NTT東西地域会社が申請していた「戸建て向けIP電話サービスの提供」を条件付きで認可した。これを受けてNTT東日本は1月中にも,NTT西日本は4月をめどに,「03」などの既存の電話番号を使えるIP電話サービスを戸建て向けに開始する。

 総務省が認可に当たって東西NTTに課した条件は,(1)NTT電話局にIP電話サービス用のルーターを設置する場合は,競合事業者がNTT局のスペースを借りる時と同じ手続きを経ること,(2)ユーザーが加入電話で使っていた電話番号をIP電話に引き継ぐ場合は,競合事業者と同様に番号ポータビリティ制度を利用すること――など5つ。これらの条件は,やはり東西NTTが申請し,2004年7月に認可された「集合住宅向けIP電話サービス」での条件と同じ。東西NTTが対応するのは容易と見られる。

 東西NTTの認可申請に対し,競合事業者からは「既存の固定電話を代替するサービスであるため認可すべきではない」などの反対意見が挙がっていた。しかし総務省は,「現状では固定電話に匹敵するユーザー数がいるわけではなく,IP電話と固定電話は同列に論じる対象ではない」と,競合事業者の意見を退けた。

(島津 忠承=日経コミュニケーション