固定電話網のIP化計画「21st Century Network Program(21世紀ネットワーク・プログラム)」を2004年6月に世界に先駆けて発表した英BT(写真)。その後,日本国内でもKDDIやNTTが電話網IP化を発表した。ただ,BTの取り組みの先進性と規模の大きさは他社を超えている。英国現地から,BTのIP化計画の全貌を報告する。

 BTの取り組みで驚くべきことは,「固定電話のIP化を既に始めている」(BTホールセールのポール・レイノルズCEO)こと。既に固定電話網の一部のトラフィックはIPネットワークに移行を開始しているのだ。

 BTは6月の発表と同時にトライアルを開始。トライアルとはいえ,10月30日にケンブリッジ,ウーリッジの2カ所の交換局で,さらに11月18日にはロンドンの交換局で固定電話の商用サービスのトラフィックをIPネットワークに移行させた。3カ所の交換局には,米ジュニパーネットワークスのルーター,仏アルカテルのスイッチ,英マルコーニ・コミュニケーションズのSIP(session initiation protocol)サーバーなどを配置している。

 これら利用している製品群は,あくまでトライアルのためのもので商用の調達はこれから。現在,調達作業を進めており「2005年春までには調達を完了したい」(製品調達を担当するメリル・ブッシェル氏)と言う。

(山根 小雪=日経コミュニケーション,ロンドン発)