KDDIは12月8日,2005年日本国際博覧会(愛知万博)に提供する携帯情報端末「愛・MATE」(アイメイト)を発表した(写真右)。

 愛知万博は,2005年3月25日から9月25日まで名古屋東部丘陵で開催される博覧会。100カ国以上の出展が決まっており,各国がパビリオンなど様々な展示を実施する。愛・MATEは日本館における来場者向けの観覧サービスと,運営スタッフの業務支援端末として活用する。

 愛・MATEは機能により「オレンジ」と「ブルー」の2種類あり,来場者と運営スタッフに配布する。オレンジは携帯電話,無線LAN,Bluetoothの三つの通信機能を搭載した。来場者向けに展示場所に応じて音声や文字情報を提供。パビリオン内の混雑状況や会場バスの運行状況などの案内もリアルタイムに実施する。一方の運営スタッフは通信機能を利用して電子メールの送受信やWebブラウザの閲覧が可能。業務の遂行に役立てられる。

 愛・MATEブルーは,無線ICタグ情報を読み取る機能を搭載。来場者はパビリオン内の興味を持った展示品についているICタグを読み取っておけば,後でインターネット経由で情報を閲覧できるようにする。運営スタッフは入場券に内蔵されたICタグから情報を読み取り,パビリオンの予約確認が可能になる。
 
 愛・MATEのコンセプトは「パソコンとケータイを融合した情報端末」。OSは,PDA(携帯情報端末)に利用する「Windows Mobile 2003」を採用。通常のインターネット・コンテンツも閲覧できるフルブラウザを搭載した。サイズは,幅67.4mm×高さ155.3mm×厚さ25.2mm。ストレート・タイプの携帯電話機よりもやや大きい程度。待ち受け時間は約30時間,連続通話時間は150分程度。開発メーカーは富士通である。

 アプリケーションには様々な遊び心も加えた。例えば,待受画面(写真下)。「画面は金魚の水槽をイメージし,金魚が多いほど電波感度がよく,水草が多いほど電池が残量がある。これまでのアンテナとは違う表現にした」(KDDIの森克実・経営戦略本部新ビジネス推進部長)。

 KDDIでは愛・MATEの商用販売について,「博覧会をテスト・マーケティングの場と位置づけ,今後の販売も視野に入れていきたい」(森部長)と語った。