ぷららネットワークスは12月7日,来年1月中に迷惑メール対策を強化すると発表した。「ぷららのメール・サーバーを使わずユーザーが設置したメール・サーバーからメールを送信する行為の禁止」を実施するなど大幅に対策を強化する。

 今回開始する対策は(1)自営のメール・サーバーからのメール送信を一部拒否する,(2)米オープンウェーブシステムズの迷惑メール規制システム「Rate base spam control」を導入する──の2点。(1)は国内のインターネット接続事業者(プロバイダ)としては初の試みだという。

 (1)では,ぷららのメール・サーバーから送信する場合を除き,ぷらら側からインターネットに向かうメールのポート(TCPの25番ポート)を遮断する。これは「ポート25ブロッキング」と呼ばれる手法。自営のメール・サーバーから迷惑メールを送信されると,プロバイダのメール・システムを通らないために迷惑メール送信者を特定しにくい。このため,迷惑メールをなくすにはこうした対策が必要となる。

 今回,ポート25ブロッキングの対象にするのは,自営のサーバーから動的なIPアドレスを使ってメールを送るユーザー。当初はボーダフォンあてのメールだけが対象だが,他の携帯事業者へも範囲を拡大する予定だ。プロバイダ同士の議論も進んでおり,他のプロバイダへもブロック範囲を広げていく意向である。

 一方,(2)のRate base spam controlは,システムに負荷をかけるようなメールの送り方をした場合に,以降の送信を規制するために利用する。

 このほか2005年3月には,有料の迷惑メール・フィルタリング・サービスも開始する予定だ。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション