川鉄情報システムは11月22日から本社勤務の社員約350人を対象に,FOMAと無線LANの一体型端末「N900iL」によるワイヤレスの内線電話システム「PASSAGE DUPLE」を本格導入した。

 同社は12月1日の「JFEシステムズ」への社名変更に先駆けて,22日に江東区南砂に構えていた本社を千代田区丸の内のJFEビルディングへ移転を開始。これに伴い移転した新本社では社員が使う内線電話機を,PASSAGE DUPLEに切り替えた。さらにNEC製のSIP(session initiation protocol)サーバー「UNIVERGE SV7000」と,NEC製の無線LANスイッチ「UNIVERGE WL」を導入。24台のアンテナを使って,入居先であるJFEビルディングの2フロア全面をカバーした。社員は本社内なら無線LAN経由で,無料の内線通話ができる。

 また部課単位などでデスクを集めたいわゆる“島”ごとに,着信用の固定型IP電話機を設置。社外からの電話は,「0AB~J」番号でいったん固定型IP電話機に着信してからN900iLに転送する。

 携帯電話1台で内線電話としても使える「モバイル・セントレックス」サービスは現在,NTTドコモのPASSAGE DUPLEのほかにもKDDIの「OFFICE WISE」やボーダフォンの「Vodafone Mobile Office」がある。川鉄情報システムは,無線LANモードで使えるWebブラウザやインスタント・メッセージなどN900iLのデータ通信機能を評価して,PASSAGE DUPLEを採用。「携帯電話を単なる内線電話として使い続けるつもりはない。社内の業務システム無線LAN経由でアクセスする情報端末に発展させたかった」(吉田啓・基盤システム事業部技術部JFEネットワークグループ長)。当初は本社に設置した無線LAN設備をPASSAGE DUPLE専用に使うが,将来的にノート・パソコンによるデータ通信にも利用する方針である。