ボーダフォンは11月16日,2004年度中間期(2004年4月~9月)の決算を発表した。連結売上高は前年同期比18.4%減の7368億2100万円,営業利益は同30.2%減の874億8000万円の減収減益となった。経常利益も前年同期比31.7%減の844億6100万円だった。

 減収減益となった最大の要因は,固定通信事業者の日本テレコムの売却によるもの。売上高の減収分1660億円のうち,1468億円が日本テレコムの売り上げによるものだった。移動通信事業単体での収支は,売上高が前年同期比2.5%減の7368億円,営業利益が同28.5%減の875億円となった。総加入台数は前年同期に比べ4%増えたが,顧客維持費用の増加や1加入者当たりの平均通話料収入(ARPU)の減少が足を引っ張った。

 下期以降は,社内の構造改革を進めると共に第3世代携帯電話(3G)サービス展開を強化する。具体的には,「営業費用の見直しや全社的なコスト削減プログラムをさらに進め,携帯電話のバックボーン網にダーク・ファイバなどを活用してコストを抑える」(ブライアン・クラークCEO,写真)。全国に9社ある地域会社も1社に統合する計画だ。

 3Gサービスについても,9月に発表した新端末7機種を順次投入。3Gネットワークの人口カバー率も11月末に99.72%にする計画である。12月1日は,NTTドコモ出身の津田志郎氏が社長兼CEOに就任し,出遅れている3Gサービスの巻き返しを図る。

 ボーダフォンはプリペイド型の携帯電話のサービスについては今後も継続して提供していくことを強調。「世界的に見ても,多くの利用者にとって利便性の高いサービス」(クラークCEO)との考えを示した。プリペイド型携帯電話の匿名性が悪用され,犯罪に使われている日本の実情については「問題は本人認証の仕組み。現在,本人確認を強化する仕組みを準備しており,1月から実施する」(クラークCEO)と説明した。