楽天は11月11日,2004年度7~9月期の連結決算を発表した。連結売上高は110億7200万円と前年同期比162.8%の増収,営業利益は同209.2%増に33億2200万円,経常利益は同216.4%増の34億4600万円となった。当期損益は77億2400万円の赤字となり,前年同期に比べ赤字幅は198億1200万円縮小した。

 大幅な増収増益となったのは,企業買収が一因にある。2003年9月に宿泊予約サイト大手のマイトリップ・ネットを,11月にはネット証券のDLJディレクトSFG証券を相次いで買収。売り上げ面,利益面ともに大きく貢献した。本業のeコマース事業も順調に成長しており,10月には出店者数が1万店舗に達している。

 事業カンパニー別に見ると,eコマース事業を担当するEC事業カンパニーは売上高が51億4900万円(前年同期比75.2%増),営業利益が16億2700万円(同69.9%増)。ポータル・サイト事業担当のポータル・メディア事業カンパニーが売上高14億8900万円(同14.1%増),営業利益2億4000万円(同36.9%増)。旅行サイトなどを運営するトラベル・エンターテイメント事業カンパニーは売上高は16億6600万円(同370.8%増),営業利益は前年同期は6400万円の赤字だったが5億2800万円の黒字になった。ネット証券会社である楽天証券をはじめとした金融事業カンパニーは売上高が30億4500万円,営業利益が8億65000万円だった。

 今年11月には新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」を設立してプロ野球に参入した。三木谷浩史社長兼会長(写真)は「世の中で楽天という会社を知らない人がいなくなった。ページ・ビュー,会員数の上昇に明らかに効果があった」と参入のメリットを挙げた(写真)。同社が公開した楽天市場のページ・ビューによると,プロ野球参入報道前は1日当たり800~900万だったが,報道後は1000~1100万前後まで上昇。参入決定後は直後に1500万を記録したのち,1200万強で推移している。またプロ野球参入による媒体露出での広告効果は,年間120億~350億円に当たると換算している。