ENUMトライアルジャパン(ETJP)は11月11日,インターネット上で電話番号の情報を交換し,IP電話など端末同士の接続を実現する技術「ENUM」に関する中間報告書をまとめた。

 ENUMは電話番号と端末のIPアドレスをDNSサーバーで対応付ける技術である。今回はENUMを通信サービスに適用する際の技術的な課題についてまとめた。ETJPでは「フェーズ2」と呼び,検討を重ねてきた。「フェーズ1」では,DNSサーバーの構築から端末やアプリケーション間での接続を実施した。

 フェーズ2ではDNSサーバーの実装技術や運用,特にプライバシーとセキュリティについて話し合ってきた。具体的には,DNSサーバーの情報を参照できる対象を事業者に限定するのかどうか,ユーザーの登録情報をどうやって保護するのかなどについてである。そして,ENUMを運用するために必要なデータベース,ユーザーとプロバイダやプロバイダ間でそれぞれやり取りしたり保有する個人情報などを定めた。

 ETJPは昨年10月の設立時には活動期間を1年間としたが,今年の9月にさらに1年間継続することを決定した。当初掲げていた最後の「フェーズ3」にまだ取り組んでいないからだ。フェーズ3では,ENUMを利用した通信事業者間での相互接続が主な目的である。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション