ソフトバンクは11月10日,2005年3月期の連結中間決算(2004年4月~9月)を発表した(写真)。売上高は前年同期比34.7%増の3037億600万円,営業損益は67億9000万円の赤字,経常損益は259億800万円の赤字。当期損益も60億4500万円の赤字(前年同期は773億3800万円の赤字)だった。

 前期に引き続いて営業赤字を記録したものの,会見した孫正義社長は注力するブロードバンド事業が順調に利益を生み出していることを強調した。「ビジネスモデルとして十分に行ける確信が持てた。赤字幅は確実に減っており,9月には単月の連結営業損益が黒字に転換した」と説明した。

 ただし,来期以降は単月の連結営業損益は再び赤字になる予定。「買収した日本テレコムの新サービスなどで顧客獲得費用がかかる」(孫社長)ためだ。有利子負債も,日本テレコムの買収や負債を引き継いだ結果,2004年9月末で4116億円(2004年6月末は1121億円)となった。

 10月に発表したFTTH(fiber to the home)サービス「Yahoo! BB光」については,来春から本格的な事業展開を開始することを明らかにした。「現在は日本テレコムの『おとくライン』の営業に力を入れているが,これが一段落すれば光にシフトさせる」(孫社長)。FTTHサービスでも来春をめどに「0AB~J番号」を使ったIP電話を提供する予定である。

 買収の意向を表明しているプロ野球球団の福岡ダイエーホークスについても「広告効果など顧客獲得のためには是非とも傘下に入れたい。相手があることだから最後までわからないが,交渉は順調に進んでいる」(孫社長)とコメント。携帯電話事業への進出についても「良い方向に進むのではないか」(同)など,今後の事業展開に関しても強気の発言を繰り返した。