NTT東西地域会社は11月5日,加入電話およびISDNの新規契約時に支払う7万5600円の施設設置負担金を半額の3万7800円に値下げすると発表した。2005年3月1日から実施する。

 今回の値下げは,総務省の諮問機関である情報通信審議会が10月に出した答申を受けてのもの。答申では施設設置負担金について「東西NTTの料金戦略として,廃止も選択肢とした見直しが必要であれば容認されるべき」との考えが示されている。

 会見したNTT東日本の有馬彰取締役経営企画部長は「これまで電話設備の建設資金として施設設置負担金を活用してきたが,電話の加入数が減少し,その意義が薄れてきた」と説明した(写真)。加えて,競合事業者のKDDIや日本テレコムが「施設設置負担金が不要」を強調した直収型の固定電話サービス開始を相次いで表明しており,東西NTTにとっても対抗上,施設設置負担金の見直しを迫られていた。

 施設設置負担金が不要だが月額基本料金が割高な「ライトプラン」は,基本料の加算額を月額672円から262.5円に値下げする。高速ディジタル専用サービスやエコノミー専用線など加入電話・ISDN以外の施設設置負担金についても,大半を半額にする。値下げ額については「電話加入権取引市場の売買価格に影響を与えない程度を考慮して決めた」(有馬取締役)。

 廃止も含めた施設設置負担金のさらなる値下げについては「社会的な影響なども考慮しながら考えたいが,今のところは白紙」(有馬彰取締役)と述べるにとどまった。