総務省は10月7日,「迷惑メールの対応の在り方に関する研究会」の第一回めの会合を開いた(写真)。迷惑メール対策や規制について広く検討していくもので,開催期間は2005年3月まで。通信事業者,メール・サービス提供事業者,識者,消費者団体,業界団体などで構成される。

 会合ではまず,総務省が国内の迷惑メール対策の現状を説明した。「迷惑メールを受信端末別で見ると9対1の割合で携帯端末が多い」,「内容は出会い系サイトの宣伝が9割を占める」などの調査結果を紹介。携帯電話事業者,インターネット接続事業者(プロバイダ)が実施している主な対策や,諸外国の規制法についても解説した。また今後の検討課題としては,(1)政府による効率的な規制法の施行,(2)通信事業者の迷惑メール規制,(3)技術的な解決策,(4)メール利用者への啓発,(5)国際的な協調──の5点を挙げた。

 一方,構成員からは「個人情報保護を意識したうえで迷惑メール送信者に関する情報交換が必要」,「迷惑メールの定義を見直し・整理すべき」,「他の法律との関連性を踏まえ,どう有効な対策を打つか」──といった議題の提案が続出した。迷惑メールに関する課題が多い現状が浮き彫りとなった。

 総務省は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」を施行しているが,2005年6月を期限に,同法について再検討を加えることになっている。さらに,最近迷惑メール問題が大きくなっていることから,同省は同研究会を開催するに至った。

 迷惑メールを規制する法律としては,経済産業省が管轄する「特定商取引に関する法律」にも迷惑メールの規制が盛り込まれているが,経済産業省の研究会については「現在,開催するかどうかを検討している最中」(商務情報政策局消費経済政策課の荒木太郎・企画一係長)としている。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション

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