沖電気工業は9月30日,1枚の社員証でビル内の入退室管理や社内ネットワークの認証を実現する社員の認証システム「デジタル社員証ソリューション」を発表した。大日本印刷,日本ベリサインと共同で開発。10月より販売開始する。既に沖電気は同ソリューションを導入。グループ全体で約2万5000人が利用する。

 同ソリューションの最大の特徴は,社員証のカードにソニーが開発した非接触型ICカード「FeliCa」を使うこと。FeliCaの内部メモリーには日本ベリサインが発行する電子証明書とそれに対応する秘密鍵が格納される。これらを使うことで,ビルや部屋の入退室の認証を行う。

 また,IEEE802.1X準拠の認証方式「EAP-TLS」に対応したイーサネット・スイッチ,無線LANアクセス・ポイントを使うことで,社内ネットワークの認証も実現できる。物理的にも情報的にも,社員以外の不正アクセスを防止できるというわけだ。

 電子証明書を利用することで,SSLクライアント認証やS/MIMEによる署名・暗号化メールの送受信など,外出先や自宅からも自社のネットワークへ安全にアクセスする仕組みも備える。キャッシュ・カード機能および電子マネー・サービス「Edy」の利用機能も併せ持つ。

 導入費用は企業の規模や設備などによって異なる。目安として500ユーザーの場合,社員証やRADIUSサーバー,FeliCaのリーダー/ライターや配線などを含むハードウエア関連の費用でおよそ5000万円としている。インテグレーション費用は含まれない。